
ヨセフのおかげで大飢饉の時にエジプトに逃れたヤコブ(イスラエル)一家でしたが、移動してきた人数は大人の男性で70人ほどでした。エジプトの王であるファラオにも良くしてもらい、彼らは400年以上エジプトに滞在することになります。しかし世代も変わり、ヨセフのことを知らない王権に変わると、イスラエルの民はエジプト人から危険視されることになり次第に迫害を受けるようになるのでした。
- エジプトからの脱出(Escape from Egypt)
- モーセの海割り(Moses divides the sea)
- 十戒(Ten commandments)
- 荒野での生活(Life in the wilderness)
モーセ登場

ファラオのイスラエルに対しての迫害はさらに激化しました。イスラエルに生まれる男子をすべてナイル川に捨てて殺すようにとの命令が出たのです。その時期にモーセと言う男子が生まれたのです。ヤコブの息子レビの家系で、兄アロン、姉ミリアムがいる家庭に生まれました。3ヶ月母親に匿われていましたが、もう隠すことが出来なくなったので、モーセをかごに入れ、ナイル川に流すことにしました。遠くから姉ミリアムに見守られながらモーセのかごはナイル川にて丁度水浴びをしていたファラオの娘に救出されることになるのです。皮肉なことにモーセはナイル川に「捨てて殺される」はずが、ナイル川に流されることにより救われたのです。この様子はノアの方舟と聖書の中では比較されています。
モーセはファラオの娘、つまり王女の養子になります。しかしモーセの親が実際は育てることになるので、エジプトの英才教育を受けていながらイスラエル人としてのアイデンティティーを持っていたのです。エジプト人のイスラエル人に対してのひどい仕打ちを見て我慢できなくなったモーセは自分の手でイスラエル人の迫害を解決しようとしますが失敗し、挫折を体験します。この時モーセは40歳でした。

挫折し遠い国へ逃亡したモーセは80歳の時に神にイスラエル人を救うために呼ばれます。自信を完全に失ったモーセは何度も断りますが、兄アロンが助けてくれると言う条件を神が出したのでついに再びエジプトに戻る決意をします。
神 vs. 神々の戦い
エジプトのファラオはモーセの知らない人に変わっていましたが、イスラエル人は変わらず苦しい生活を強いられていました。モーセとアロンはファラオに直談判しに行きます。イスラエル人がお祝いをするためにエジプトから離れて荒野に行くことを許すように説得しますがファラオは頑なに認めず失敗に終わります。

聖書の中で出てくる大きなテーマとして「唯一の神」と「人が作った神々」との戦いがあります。エジプトは多神教であり、数多くの神を信仰していました。モーセを通してエジプトに下った10の災いは有名ですが、実はこの災いはエジプト人が信仰している神々に対しての攻撃だったのです:
ハピ(Hapi)

ハピはナイル川の神です。イスラエルの神はナイル川の水を血に変えて飲めない状態にする奇跡を起こしました。
ヘケト(Heket)

ヘケトはカエルの頭をした水の神です。イスラエルの神はエジプト人の家々に入り込んでしまうほどのカエルの大群を発生させる奇跡を起こしました。
ゲブ(Geb)
ゲブは大地の神です。イスラエルの神は大地からぶよを発生させる奇跡を起こしました。
ケプリ(Khepri)

ケプリはハエの頭をした創造の神です。イスラエルの神はハエの大群を発生させる奇跡を起こしました。
ハトホル(Hathor)

ハトホルは牛の頭を持つ姿で描かれていた愛と守りの女神です。イスラエルの神はエジプト人の家畜に疫病を流行らせる奇跡を起こしました。
アイシス(Isis)

アイシスは薬と平和の女神です。イスラエルの神はエジプト人に腫れ物を生じさせる奇跡を起こしました。
ヌト(Nut)

ヌトは空の女神です(上の絵の手足が長い方です)。イスラエルの神は空から雹が降り注ぐ奇跡を起こしました。
セト(Seth)

セトは嵐の神です。イスラエルの神は蝗の大群をエジプトに送る奇跡をおこし、雹で破壊されなかった食物を完全に破壊されました。
ラー(Ra)

ラーは太陽の神です。イスラエルの神は昼間に全地を暗闇が覆う奇跡を起こしました。
ファラオ(Pharaoh)

ファラオは単なる王ではなく、ラーの子供としてエジプトでは崇拝されていました。イスラエルの神は最後にファラオに宣戦布告します。ファラオの後継者となる長子を含む全ての家庭と家畜の長子が神により殺されると言う奇跡が最後に行われます。
ここで救いの道を神は用意するのです。羊の血を家の入り口の周りに塗ることにより、神の霊がその家を「過ぎ越して」その家庭の人は誰も殺さないのです。これが後の「過ぎ越しの祭」として語り継がれるのです。
イスラエルの大脱出
イスラエルの唯一の神はこのようにしてエジプトの神々に勝利し、イスラエルの民はエジプトから翌日すぐに旅立ことになるのです。聖書ではイスラエルの民の人口は600,000人の男性と書かれていますので、子供や女性を含めると恐らく1,000,000~2,000,000人ほどいたのでは無いかと思われています。エジプトを出ていったのは1440BC頃とされています。彼らは喜んでエジプトを出ていくのですが、その喜びはつかの間となるのです。。(続く)
#Bible #Exodus #聖書 #出エジプト記
6件のコメント
Kayleigh · 2021年7月13日 2:36 AM
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[聖書をわかりやすく解説:出エジプト記②] モーセの海割り (Exodus : Moses divides the sea) – About me · 2020年12月8日 8:07 AM
[…] エジプトからの脱出(Escape from Egypt) […]
[聖書をわかりやすく解説:出エジプト記③] 十戒 (Exodus : Ten commandments) – About me · 2020年12月12日 4:17 PM
[…] エジプトからの脱出(Escape from Egypt) […]
[聖書をわかりやすく解説:出エジプト記④] 荒野での生活 (Exodus : Life in the wilderness) – About me · 2020年12月13日 6:05 PM
[…] エジプトからの脱出(Escape from Egypt) […]
[聖書をわかりやすく解説:創世記⑥] ヨセフ(Joseph) – About me · 2020年12月25日 2:14 AM
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